小樽のクラフトワインショップ&カフェ Taru Lab - 樽ラボ Taru Lab 樽ラボ|イタリア・サルデーニャ島のちょっと贅沢なクラフトワイン&リキュール

サルデーニャ島の伝統 ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ

3000年の歴史のあるブドウ品種から作られるワイン

イタリアサルデーニャ島に紀元前から存在し、3000年もの歴史のある土着品種グレープ、ヴェルナッチャ ・ディ・オリスターノ。このブドウから作られた白ワインを、古い樽の中に少しだけ隙間を空けて酸化させながらフロール(産膜酵母)を使って熟成して作られる、オリスターノ地方独特の伝統と歴史のあるワインはワイン名もブドウと同じ 、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノとして知られています。また、島ではヴェルナッチャの愛称で親しまれています。



サルデーニャ島で最初にDOCを取得したワイン

地中海気候の天候に恵まれたこの島で、ヴェルナッチャ ・ディ・オリスターノのグレープはオリスターノ市の近くの小さな地域ティルソ川の下流の窪地を原産として栽培され、規定の条件を満たした時のみヴェルナッチャ・ディ・オリスターノという名前でワインを生産することができます。ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノは1971年にサルデーニャ島で一番最初に*DOCを受けたサルデーニャを代表するワインです。

*DOCとは
Denominazione di Origine Controllata (デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ ) イタリアにおける、食料品(主にワイン)に対する原産地認定(地理的表示)のひとつ。イタリア全州でDOC ワインが生産されているが、DOCで指定された名称を名乗るには法律で決められた地域、製法などを守る必要がある。

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの畑

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノDOCの条件

  • ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノを100%を使用
  • 材料のブドウはDOCで定められた17の町や村などの決められた地域で栽培されたものに限る
  • ブドウ作り、ワイン作り、成熟期間全てが定められたDOC規定の地域で行われる必要がありその地域は平坦な地域でティルソ川の河口に位置している
  • 最低でも2年間樽の中で熟成させる必要がある(樽の材質は栗か樫)

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノDOCワイン

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノDOCワインの特徴

  • 地中海性気候の環境で育ったグレープはニュートラルな香りで、最終的な味わいや香りは製造工程から決定さる
  • 色はゴールドやアンバー色、アロマはアーモンドの花など深くリッチで後味はビターアーモンドのような味わいが特徴

栗の樽で熟成されるワイン

フロール酵母

製造工程

9月の中旬から10月の初日までにブドウの収穫が手作業によって行われ、ブドウの収穫された翌3月に製造されたワインが栗や樫の樽に移し替えられ、樽の中で少し隙間を開けて成熟されます。これはこのワインに必要なフロール酵母が成長するのに必要な条件で、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノDOCの格付けには最低でも2年間樽の中で酵母と一緒に熟成させる必要があります。
アルコール発酵の最後に出来上がったフロールと呼ばれる産膜酵母は、表面に浮かんでフィルム状に形成され、このフロールはアルコール発酵に必要なだけではなく、その他の作用でヴェルナッチャワインに必要な特徴のある香りや味わいを形成していきます。
また、ワインの作られるキャンティーナの中は風通しが良く、外気との温度が伝わるように設計されているなど、これらもヴェルナッチャ作りには欠かせない要素の一部です。
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノはシェリーの製造工程で使われるような、酒精強化は使わず、樽の中で熟成するときに自然に水分が蒸発していくことでアルコール濃度が高まっていくのも特徴ですが、どの独特な醸造法からも稀有な存在として世界のワイン学の宝とも呼ばれています。

遺跡で発掘されたヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの種

オリスターノの遺跡から発見されたブドウの種

近年になってから、オリスターノ市郊外、カブラスの遺跡からこのワインの原料となる、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのブドウの種が炭化した状態で発見されました。以前はフェニキア人がブドウ栽培をサルデーニャ島に持ち込んでワイン製造が始まったと伝えられてきましたが、このブドウの種の発見から植物考古学者のグループの研究により、3000年前からこの地域でヴェルナッチャ ・ディ・オリスターノのブドウ栽培が行われていたことが証明されました。世界史では青銅器時代、サルデーニャ島ではヌラーゲ時代から現存していたヴェルナッチャ・ディ・オリスターノグレープから作られるワイン。まさに歴史と伝統と共に現代に生き続けたワインと言えるでしょう。

ヴェルナッチャワインが保存されていた昔のボトル

時代の流れで消えゆくヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワイン

ブドウ品種としても大変珍しく、素晴らしいワインとしても専門家やワイン愛好家からも賞賛されているこのヴェルナッチャ・ディ・オリスターノですが、残念なことに数々の要因が重なり、昔と比べて、ブドウの生産もワインの生産量もすっかり少なくなってきています。現在ではオリスターノ界隈でヴェルナッチャ ・ディ・オリスターノのブドウ畑は300ヘクタールほど、7社のヴェルナッチャ生産者のみが現存しています。

ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノエコミュージアム

ファミリア・オロとヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの保存活動

ファミリア・オロのダヴィデ・オロは数少ないヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの生産者の一人で、この希少なブドウ品種の保存運動にも力を注いでいます。サルデーニャ島と生まれ育った土地を愛する彼は、この消えゆく伝統あるブドウ品種と、サルデーニャに伝わる貴重な醸造技術や長い歴史を次の世代にも残せるようにと、生産者のリーダー的存在として、ほかの7者の生産者と一丸となり、2020年にはヴェルナッチャ・ディ・オリスターノエコミュージアムを立ち上げるなど、精力的にヴェルナッチャ ・ディ・オリスターノの素晴らしさをイタリアや世界に向けて発信しています。

ファミリア・オロのヴェルナッチャワイン

ダヴィデ・オロ

ダヴィデ・オロの作る至極のヴェルナッチャワイン

ファミリア・オロでは、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノグレープを使い、伝統的な製法を用いたヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインはもちろん、オリジナル性のあるバラエティー豊かなワインを作っています。伝統を大切にしながらも、サステナブルなブドウ栽培や醸造技術を取り入れ、イノヴェーティブな技術と感覚を持ち合わせた、オーナーでもあり醸造家でもあるダヴィデの作るワインはどれもブドウの特徴が最大限に生かされた至極の味わいです。
この機会にサルデーニャ島とヴェルナッチャ・ディ・オリスターノの歴史とともに、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノワインの魅力を感じてみませんか?

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サルデーニャ島の伝統 ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ

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