オルゴーゾロ村はサルデーニャ島、バルバージャ地方の中心、ムラーレスと呼ばれる壁画で有名な山間の小さな村です。山に続く一本道を辿って行くと、岩にペイントされた面白いアート作品が道の脇にポツポツと現れはじめ、道を登りつめると、そこが村の入り口です。その村の入り口側にひっそりと佇む小さな建物がOrgosolo Liquori(オルゴーゾロ・リクォーリ)です。明るい黄色の壁にはMirto(ミルト)と可愛らしくペイントで描かれていて、思わず中をのぞいてみたくなる様な温かい佇まいです。建物の中にはお店とリキュール作りのラボラトリーが併設されていて、オーナーでもあり生産者でもあるピエラ・カディーヌが、そして時には彼女の家族も一緒に笑顔とともに迎えてくれます。
ここオルゴーゾロ村は壁画だけではなく、美しい高い山々に囲まれた手つかずの豊かな自然にも恵まれ、山ではたくさんの野生の植物が育ち、村では自然農法で栽培された農産物が豊富に栽培されています。 オルゴーゾロ村に生まれ育ったピエラは、この豊かな自然の恵みから生まれた厳選した最高品質の原材料を用い、香り高い天然のレモンや、味わい深い野生のミルトベリーを使ってサルデーニャの伝統的クラフトリキュールを一つ一つ丁寧に手作りしています。その味わいは、ナチュラルでみずみずしく、一度味わうと忘れられない素晴らしい風味です。その他にもオルゴーソロの野草の花、エリクリーゾフラワーや、黄金色で香りの高いオルゴーゾロ産のサフランを材料にしたリキュールなど、新しいアイディアで次々と美味しいクラフトリキュールを生み出しています。
オルゴーゾロの村を歩いていると、その中心部にはこぢんまりとお店やカフェなどが並び、その壁面にはたくさんの壁画で溢れているのに気づきます。壁画はいたるところに描かれていて、作風や色合いも様々。村を散策していると壁画がいつまでも続き、まるで村全体が美術館のような独特な雰囲気に吸い込まれます。このムラーレスは1970年代くらいから村や外からのアーティストによって制作され始め、今でも新しい壁画が増え続けているそう。壁画には地元の文化や生活の様子が描かれていたり、その時代の歴史的背景が題材になっていたり、中には深いメッセージが込められた壁画もたくさんります。
家族経営のこの小さなリキュールのお店では、旦那さんも子供達も時間があると一緒にピエラを手伝い、村の文化を大切にしながら、毎日の生活を丁寧に過ごしています。ここオルゴーゾロ・リクォーリではピエラとその家族のサルデーニャや自分の村を誇りに思う気持ちが、リキュールづくりを通して表現されているようです。ボトルのラベルにも村のムラーレスがあしらわれているのもそのこだわりの一つで。見た目もパッと目を引くような個性的でおしゃれなデザインです。
ピエラが少しずつ丁寧に作ってきたリキュールは、最高の美味しさと品質、そしてこのムラーレスのデザインで、今ではサルデーニャ内外でも高い人気を誇っています。